おはこんばんちは。
朝、コーヒとパンで朝食を済ませゆったりしていると携帯が鳴った。
10年以上も前に勤めていた職場の看護婦さんだった。
退職以来疎遠になっていたので何の用だろうと思ったら、以前一緒に働いていたSさんが亡くなったという信じられない話でした。
私は10年前に高齢者に転倒予防のために、体操や機械を使って行う筋トレを指導する仕事に就いていました。
私のほかに2人、いつも3人で家庭での悩みや相談、美容の話、冗談などを言い合い笑いの絶えない楽しい職場でした。
Sさんは私より後に入社しましたが、年齢は8歳年上です。
スタイルが良くておしゃれ上手、歓迎会の時にシンプルなワンピースに、蛇柄のストッキングを履いていて素敵だなと思ったのが第一印象でした。
そのうちお互い出身地が近いという事もあり、特に親しくなっていきました。
上品な顔しているのに、下ネタでよく大笑いしました。、(中年女性あるある)
職場を離れても食事やドライブと、もう一人の仲間も一緒に3人で楽しくお付き合いしていました。
Sさんは私がこれまで会った人の中で一番優しくて強い女性でした。
悩みがあって彼女に相談すると期待以上の答えが返って来て心が軽くなりました。
娘が難病で入院した時も、「大丈夫、心配しないで笑えばいいのよ」と言ってくれて
救われたものです。
「こんな女性に1歩でも近付きたい」と思っていました。
友人でありながら憧れの女性でもあったのです。
そんな彼女ですが、10年ほど前に検診で白血病と診断され余命1年と医者に宣告されたそうです。(私も一緒に仕事をしている頃)
Sさんは気丈にもご主人とお墓を買うため見にいったり、治療のために髪の毛が抜けるからとカツラを用意したりしつつ、前向きで諦めてはいませんでした。
ご兄弟で、骨髄移植が合うかどうかの検査も済んだと言っていました。
余命宣告をされても彼女は仕事を辞めませんでした。
もちろん経済的に困っていた訳ではありません。
旅行が好きだったので、ご主人とも何度も旅行に行き、私たち仕事仲間の3人でも温泉旅行に行きました。
来年の今頃彼女がいないなんて信じられないとその時は思ったものです。
ところが医者の見立てが外れました。
毎月1回のペースで専門の病院へ検査に行っていたようですが、症状は一向に出無い様で、風邪さえ引かず誰よりもSさんの方が元気に見えました。
そして余命1年宣告から2年が経ち、3年が経ち~10年が経ったのです。
お互いに仕事を辞めてからも時々あったり、電話で近況報告したりしていました。
昨年の10月頃家で採れた野菜を届けにSさんの家へ行ったのが最後となりました。
その時は私の両親の介護の話と、彼女の100歳になる母親がまだ死なないという話をして大笑いしたのです。
「体調は?」って聞くと、いたって元気で午前中は老人施設で食事の介助の仕事をして、笑いヨガと気功もやっているとの事、ボランティアで地域のお年寄りに体操も指導しているとか、病院の先生は彼女が元気なことが不思議でたまらないらしく、血液を採取して研究に使わせてって言っている、だから今は検査や治療ではなく研究に協力するため病院へ行っていると笑っていたのです。
私も宣告から10年余も経てばもう安心と思っていて・・・
つい最近もSさんの職場の前を通ったので「お仕事頑張っているかな、今度野菜持っていこう」と思った矢先の訃報でした。
昨年暮れに体調不良で病院へ行ったら即入院で、2日前に白血病で亡くなったらしいのです。
入院している事さえ知らず、いつでも会えると思い忙しさにかまけて電話しなかったんが悔やまれます。
もう一人の仕事仲間とSさんの訃報について話しているうち、2人とも泣いて声にならず電話を切りました。
Sさんの優しい顔、笑っている顔が浮かびます。
夕方ウオーキングをしながらも、彼女の事が思い出されて涙がポロポロ出て困りました。
沢山の物を彼女からもらいました。
心からありがとうって言いたいです。
明日告別式です。
大好きだった友人Sさんにお別れしてきます。
どうか安らかに
イッペーの花の咲く頃、彼女を思い出すだろう。
最後まで読んでくださった方ありがとうございます。